今年も足踏みふいごでたたら製鉄

投稿者: | 2011年10月22日

2011/10/22の記録です。

昨年(2010)に初挑戦した、足踏みふいごを用いた「たたら製鉄」、今年も実施しました。小型炉によるたたら製鉄の授業は、授業開発分野(方法研)でふるくは高嶋先生らにより、近年は境先生により実施されてきました。私広重は足踏みふいご部分の担当です。

今日はまず、大学内で学生たちによる実施です。今年は旧金工室の屋根付きの広い空間が利用できることになり、天候に影響されずに実施できました。実際、午後から小雨の天候となり従来の屋外実施では難しい条件でした。

足踏みふいごに関しては、今年は昨年使用したふいごがどの程度再利用可能か、が主な課題です。また、可能な限り長い時間、できれば全行程に渡って足踏みふいご送風をすることもチャレンジの一つです。1年間保管されたふいごに最低限の修理を施し、昨年よく切れてしまったロープを太いものに替えて、トライです。

午前7:30に集合し、炉の準備からスタートです。

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ふいごを組み立てます。

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送風の様子。ふいごの動作に同期して炉の炎が変化しているのがわかります。

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午前11:00から製鉄プロセスを開始し、5時間の連続送風の後 16:00 ころ、製鉄の工程が終了しました。炉を壊して鉄を取り出します。リーダーの「村下(むらげ)」役の学生は、もし鉄ができなかったら「切腹(^^;)」ということもあり、緊張の一瞬です。

炉から取り出した塊をハンマーでたたくと、特徴ある火花が散りました。鉄ができています。これで村下は切腹を免れました(^^;)。

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無事、約1.9kg の鉄ができました。製鉄開始以後の全行程を足踏みふいごで行った製鉄としては、上々の出来のようです。

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切腹をまぬがれた(^^;)村下2名とできた鉄。

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足踏みふいご部分は、やはり蛇腹式ふいごの袋部分の断裂との戦いとなりました。ビニールテーブルクロスでできた袋は、特に折り曲げ部分で裂けがよく生じ、発見し次第、気密テープで塞ぎます。裂けが大きくならないうちに塞がねばなりません。ほとんど「もぐらたたき」状態です。また、塩ビ管の継ぎ目部分も圧力でよく外れます。これは外れることにより圧力安全装置としても機能するため完全に固定するべきではないのですが、手の届きにくい位置の継ぎ目が外れるとちょっと手間がかかります。このあたりはさらなる工夫が必要です。それでも、なんとか致命的な損傷に至らずに、5時間動作し続けました。太くしたロープも切れませんでした。

今年も 11 月下旬に附属釧路小学校でたたら製鉄の授業をおこないます。それにむけて改良・準備を進めます。