たたら1号ふいご改良:大開口面への革張り・裏打ち

投稿者: | 2016年5月20日

方法研2年目によるたたら1号ふいご蛇腹換装、3回目の作業、合宿前最終回です。急ピッチで進行しています。

今日はちょっと機会があったので、開始前に、「シブすぎ技術に男泣き」というマンガを例に出して、技術者の仕事について少しお話をしました。機能を実現させている技術者の仕事は、完成品を外から見たのでは、ケースなどに隠れてしまって見えません。目立たない「裏方の仕事」と言えます。直接賞賛されることがなくても、少しでも「よいもの」を作りたい、喜んでもらいたい、という気持ちで技術者たちは日々がんばっています。ものを実際に作り上げて、この世に「存在するようにした」のは、私たちなのだ、ということ。その事実は気づかれようと気づかれまいと、不変なのだ、ということ。それは作り上げたもの自体が証明してくれているのだ、ということを、ひそかに誇りにしているのですよ、というお話でした。

さて今日の作業は、残った大きな開口面を、革でふさぎます。今日で蛇腹部分が閉じる予定です。

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まず、前回やりのこした、片方のフレームに対する接続面への、気密テープの裏打ちからスタートです。

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Hセンセの記憶違いで、充分に開かない狭い部分へ気密テープを貼り込まねばなりません。しかしみな器用にこなします。

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薄い板にテープを仕込んで、まずはフレームと蛇腹リブのスキマの革にテープが届くよう、慎重に貼り込みます。

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今日もよゆーな人がいるようですな(^^;)。

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続いて、菱形の大きな開口面を革でふさぐ作業にかかります。この菱形部分の革は、複雑に折りたたまれることになります。

まず、ふいごを開いて固定し、菱形の開口面をコンビニ袋などで型どりします。

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数年前の2号ふいご制作の時に使った「おさえといて1号」が、まだ残っていました。今回は左右2台いちどに作るので、「おさえといて1号」をかたどって「おさえといて2号」もつくりました。

でもどちらもはずれやすいので、結局「おさえといて3号4号(人間)」も任命されました(^^;)。

型どりしています。

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かたどったコンビニ袋をはずし、革にあてます。コンビニ袋の線よりかなり大きく革を切り出します。線より 50mm くらい大きくとります。コンビニ袋の線は、これより小さくならないように、というめやすです。

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これらの革は、昨日までに H センセが東京の東○ハンズで仕入れてきました。ここに買われてこなければ、バックとかになっていたかもしれないのにね〜。

こっちは茶色い革です。

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革の準備ができたら、今日もニカワタイムです。くさいです。

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いよいよ、ここからおしゃべり禁止です。革と木材に素早くニカワを塗り、菱形の開口部に貼りつけます。形状が複雑なのと、オーバーハングしている部分があるなどで、素早く上手に押さえないとうまくつきません。

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どんどん貼っていきます。4箇所あります。

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すばやく、すばやく。

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当てて貼り付け…

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みんなで押さえて形ををなじませてニカワが固まるのを待ちます。

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順調ですね。

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今回はずいぶんと順調なので、気が緩んだ H センセはおしゃべりをしてしまいました。学生諸君に怒られました(^^;;;)。

革がある程度落ち着いたら、さっそく気密テープの裏打ちをやってしまいます。

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「おさえといて1号」も「おさえといて?号(人間)」も、よく働いています。

NOK は先輩 KHRN にならって、ふいごの中に入って作業です。

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迷彩柄のつなぎなので、なんだか自○隊が作業してるみたいですな…

さて、最大の難関の菱形部分が終わりました。次は最後の部分、ふいごの支点になるとんがった部分をふさぎます。ここは細長くふさげばよいので、比較的簡単です。

まず革を準備しました。よゆーです。

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にかわを塗り、

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革でふさぎます。すこしたるませて余裕をもたせます。

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この部分も、すこし落ち着いたらすぐに気密テープの裏打ちをしてしまいます。

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さて、ここでまたまた、Hセンセの記憶喪失(^^;)のため、トラブル発生。この部分をふさぐのは単純な長方形の革ではダメなのでした。開いたときでも革が充分に覆っているように、両端は膨らませないとならないのでした。

とりあえず革が不足気味ながら応急的になんとか開口部はふさぎましたが、あとでチェックして少し補強する必要があるかもしれません。

ともかくも、大変順調に素早く進み、学生分の作業は終了です。来週末は合宿で発表ですね。